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「忘れたのか?今学期は文化祭があるんだぞ。文化祭実行委員、各クラスの担当決め、テーマを聞くとか色々あんだよ」
「そっかあー。文化祭があるんだねえ」
「楽しみだねー」
「楽しみだねー」
楽しみなのかそれぞれ顔見合わせて笑みを浮かべる。知多ブラザーズは同じ顔同じ声で何したいか話し合いをしてる。
「じゃあ、事務科に行って誰か資料貰ってこーい」
「いや、そこは光ちゃんが行くところやろ」
「俺もうおっさんだからさ」
「光ちゃんはまだまだ若いよお!!」
まだ二十代半ばで、しかも容姿端麗な大人な先生が何をおっしゃるだろうか。
百花は断固と否定し、黒澤先生は、それに適当に礼を言ってあしらっている。
「ちゅーことで、パシリ役は…」
直洋が言い出して、皆はある人物を注目して声を揃えた。
「行って来い猿」
「ええー!なんで俺なんスか?」
「イチゴ牛乳やるって」
「先生、マジ?何本スか?」
真剣な顔で聞いて来る。
「さ、三本…くらいでどうだ?」
「……わかったっス!!」
大好きなイチゴ牛乳に釣られて大喜びに教室を走り出て行った。
皆は考えた事は同じだっただろう。
単純…、。
『イチゴ牛乳が本当に好きなんだね』
「アイツ、一日5本以上は楽に飲むからなー」
鈴が苦笑を浮かべながら教えてくれた。
「隊長!」
愛海がいきなり手を挙げる。
「なんだね、松山くん?」
みちるさんがなりきって答える。
(あ、みちるさんが隊長なんだ)
「今日、七瀬の歓迎会をしたいですっ!」
「うむ。それは良い考えじゃ。千昭くん、どうかな?」
「俺に聞かれても…別にいいんじゃないか?」
「おっしゃー!パーティーや、パーティー!」
直洋を始めとして、他の皆も賛同する。一気に教室内の空気が明るくなった。
(わぁっ、嬉しい!)
「…良かったな」
千昭が珍しく薄く微笑みを向けた。七瀬は大きくコクリと頷く。
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