Rクラス

12/20
前へ
/58ページ
次へ
「忘れたのか?今学期は文化祭があるんだぞ。文化祭実行委員、各クラスの担当決め、テーマを聞くとか色々あんだよ」 「そっかあー。文化祭があるんだねえ」 「楽しみだねー」 「楽しみだねー」 楽しみなのかそれぞれ顔見合わせて笑みを浮かべる。知多ブラザーズは同じ顔同じ声で何したいか話し合いをしてる。 「じゃあ、事務科に行って誰か資料貰ってこーい」 「いや、そこは光ちゃんが行くところやろ」 「俺もうおっさんだからさ」 「光ちゃんはまだまだ若いよお!!」 まだ二十代半ばで、しかも容姿端麗な大人な先生が何をおっしゃるだろうか。 百花は断固と否定し、黒澤先生は、それに適当に礼を言ってあしらっている。 「ちゅーことで、パシリ役は…」 直洋が言い出して、皆はある人物を注目して声を揃えた。 「行って来い猿」 「ええー!なんで俺なんスか?」 「イチゴ牛乳やるって」 「先生、マジ?何本スか?」 真剣な顔で聞いて来る。 「さ、三本…くらいでどうだ?」 「……わかったっス!!」 大好きなイチゴ牛乳に釣られて大喜びに教室を走り出て行った。 皆は考えた事は同じだっただろう。 単純…、。 『イチゴ牛乳が本当に好きなんだね』 「アイツ、一日5本以上は楽に飲むからなー」 鈴が苦笑を浮かべながら教えてくれた。 「隊長!」 愛海がいきなり手を挙げる。 「なんだね、松山くん?」 みちるさんがなりきって答える。   (あ、みちるさんが隊長なんだ) 「今日、七瀬の歓迎会をしたいですっ!」 「うむ。それは良い考えじゃ。千昭くん、どうかな?」 「俺に聞かれても…別にいいんじゃないか?」 「おっしゃー!パーティーや、パーティー!」 直洋を始めとして、他の皆も賛同する。一気に教室内の空気が明るくなった。   (わぁっ、嬉しい!) 「…良かったな」   千昭が珍しく薄く微笑みを向けた。七瀬は大きくコクリと頷く。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3020人が本棚に入れています
本棚に追加