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ガラガラ、
パシられていたはずの聡が戻ってきたようだ。
「はぁ…はぁ…、し、死ぬ…」
教室に戻って来た途端に息切れをして抱えていた段ボールを落として座り込んでしまった。
「おい!猿、大丈夫か?」
直洋が駆け寄って来て、猿もとい聡を支えた。
「イ、イチゴ牛乳……って!痛いっス!」
直洋は聡の言葉を聞いた瞬間に、べしっと頭を叩いた。
「糞猿…、もうおごってやらん」
「えええ!酷いっスよ!!」
「自業自得ですよ。猿…、じゃなくて野田くん」
冷静な薫までもが流れで聡のことを猿と呼びそうだった。
「薫もキツい事言うなー」
一哉がゲラゲラと笑う。直洋は猿をほっといて席に戻った。
「あ、直洋!ほんとごめんっス。許してくださいよ―」
「…どないしよーかなー」
「お願いっスよ。直洋がいなきゃ俺、他に友達いないんスよ―」
「まぁ…いいけ、」
「甘い!直洋、アンタは甘いよ。甘すぎるよ!」
「え、ちょっとそのネタ古くない?」
「バ一哉は黙っしゃい!」
直洋が許そうとしたその時にみちるが横槍を入れる。
結構昔の某コンビのネタだというのはお気づきだろうか。
「ここは更に追い詰めるのが普通なのよ。ふふふ、弱味を握って…それから、」
「あー直洋。これ先は聞かない方がお前のためだ。極悪S野郎になるっちまうから」
「お、おぅ…。か、一哉先輩も大地も大変だな…」
「「まぁーな」」
◇◆◇
その後、皆は学園祭の仕事に専念した。七瀬も恭也や愛海達に教えてもらいながら、仕事をこなした。
お昼の時間になり、昼食をとるためにカフェテリアへ。
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