Rクラス

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「七瀬、何食べる?」 この青陵学園のカフェテリアでは、A・B・Cの三種類の料理があり、好きなメニューを選べられる。 今日のメニューは、A・オムライス、B・八宝菜、C・塩ラーメンだった。 七瀬と鈴と愛海はオムライスにした。 「オムライス人気だから、売れ切れやすいんだよね。よかった―」 「さてと頂くか。いただきまーす!」 言った直後に、鈴は勢いよくオムライスにがっついた。あまりの食いっぷりに七瀬は驚いた。 「鈴、食いしん坊なの。なのに太らないって…」 「陸上やってるからだな、うん」 「キー!なんかムカつく!」 「運動してるのは事実だからなー」 ちょっとした二人のこんなやり取りを七瀬は眺め見て、妙に心地が良かった。 「やあ、皆。此処いいかな?」 恭也がニコッと笑みを浮かべながらやってきた。その後ろから千昭と悠も一緒にやってくる。 「勿論!どうぞどうぞー」 すると、七瀬の隣りに悠、千昭が座った。恭也は千昭の前に座る。 「七瀬、イケメンに囲まれて幸せ者だね―」 (いや…あんまり嬉しくないんだよね。なんか視線感じるし…それに、) 七瀬が遠慮がちに周りを見渡すと、一般生徒の特に女子が此方に鋭い視線を送るのが分かる。 (…食べ辛いんですけど) そんな七瀬を余所にして、千昭と悠は黙々と食べ始める。 ………、 ………………。 もう空気が重いというか、沈黙がずっと続いている。 二人が食べ終わって、さっさと片付けに席を立って行ってしまった。 はあ…、と三人で一気に深いため息を吐く。 「なんだかなあ…。ねぇ、三上くん。いつも、あんなんなの?」 「まぁ、ね。はは…」 「ご苦労なこった」 「初めて、分かってくれる人ができて嬉しいよ」 (そう言えば昨日の夕食も静かだったような…) 七瀬が片付けをしている二人を見て昨夜の夕食風景を思い出した。すると、千昭が戻ってきた。
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