久しぶりの再開

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よく飛んだのだろう。 空を飛んでいる感覚だ。 蹴られたことに痛みは無かった。 ドサッ… 落ちた瞬間激痛が走った。 もう一発蹴られたらぼくは動けなくなるだろう。 逃げなきゃ… 「裕一!?何をなさっているのです!?」 「母さん、猫が!」 「蹴ったのは貴方でしょう!?その猫をはなしてやりなさい!」 「嫌だ!もう猫なんて大嫌いだ!いるだけでも嫌なんだ!僕はあんなにも可愛がってやってたのにだよ?逃げてどこかへ行く猫なんて大嫌いだ!」 「裕一、わたしにはその猫に見覚えがありますが?」 「?あるはずないっしょ?」 「…縦に白いラインが入った猫はそういません…わかりませんか?」 「…え?」 そう言い駆け寄って来た。 「そんな…」 その子供は泣き崩れた。 ごめんなさい、ごめんなさいと何度も謝ってた。 もういいんだ。 とりあえず、手紙は届けましたよ。 じぃじ…助かってね…? ぼくはそこで目を閉じた。
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