朦朧

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手首には、所々、激しく引っ掻いたような痕もある           義隆が嫌いだから、ベッドに寝なかったと、零は言う     だけど、廊下で半裸で寝る理由は、わからない                 乱れたタオルケットを零の体に巻き直すと、抱えて零の部屋に向かう       やはり、意識のない零は重い             苦労して扉を開けると、占領するように、ベッドの中心で寝ている義隆の姿が見えた       零をベッドの端に寝かせ、義隆を起こす     「義隆、義隆」   何度も体を揺らすと、欠伸をしながら、茶色い瞳をうっすら開ける義隆と目が合った           義隆は腕を伸ばすと、そのまま僕を引き寄せ、唇に軽く口づけを落とす        
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