空と雲と太陽と

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    その日の夜も次の日も、気がつけば康介のことを考えていた。   その度にドキドキしたり、苦しくなったり、行き場のない気持ちが胸を締め付けた。     その時ふと、康介の顔が思い浮かんだ。   (なんだ・・・・あたし。やっぱ変になっちゃったのかな?)   今までは大丈夫だったのに・・・・。   平気だったのに・・・・。   久しぶりに会ったら・・・康介を見たら・・・・。     心の奥底に眠っていた気持ちが一気に溢れ出した。   それと同時に南の目からも涙が溢れ出た。     図書館で見たときどんな気持ちだった? 声を聞いたときどんな気持ちだった? キャッチボールしてるときどんな気持ちだった? 寮に戻るって聞いたときどんな気持ちだった?     ポロポロと大粒の涙がこぼれる。 きっと鼻も目も赤くなってるだろう。     今になって気づいた。   今更気づいた。     もうずっと昔から・・・・あたしはきっと。         ―――康介のことが好きだった。      
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