この音色を風にのせて

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  「ふんふんふ・・・」 鼻歌を歌いながら歩いていた美桜がふと立ち止まった。     「・・・・・♪・・・・♪―♪」   微かに遠くから音が聞こえる。   (なんだろ・・・?) 不思議に思いながらもその音にひかれるように歩きだす。     階段をのぼり、狭い路地を抜けて、坂を上がっていく・・・・・。     音が大きくなるとともに美桜もかけ足になっていく。   (もう少し・・・結構近いと思うんだけどなぁ。)    音にひかれるまま木の茂みに入っていく。 音は確実に近くなっていた。     木と木の間から木漏れ日が差し込んでいる。 それ以外は光がない為、周りがどうなっているのかすら分からなかった。     音だけを頼りに美桜は進んで行く。      
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