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図書館は快適だった。
二階に上がると勉強をする為の部屋がある。
一階とは違うピリッとした緊張感がこの部屋には漂っていた。
部屋全体が静まり返っている。ここにくる人達は真剣に勉強しているんだなぁと思うと、入っていいものか少し戸惑ったが、とりあえず窓際の席に腰掛けた。
康介は・・・・いないようだった。
少しがっかりした。
冷静になって考えてみれば康介が帰って来ているのかさえ分かってないのに何故自分はこんな所まで来たのだろう?
向こう見ずな行動をした自分がひどくバカに思えた。
ガチャ。
その時、部屋のドアが開いた。
反射的に開かれたドアの方を見る。
ドクンッ
心臓が飛び跳ねるのが自分でも分かった。
体中の血液がいきなり流れだしたかのようだった。
久しぶりに見た康介は少し変わっていた。
南と同じくらいだった身長は格段と伸びていたし、体つきも勉強ばかりしているわりにはたくましかった。
じろじろと南が見ていたからか、康介も南の存在に気づいた。
一瞬、驚きの表情を浮かべたが、すぐにもとの表情に戻り、手前にあった席に座った。
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