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キャッチボールを始めて何分か経った時、突然康介が言葉を発した。
「俺さぁーーっ!」
「なにー??」
2人の距離が結構あったので少し声を張り上げないと聞こえない。
「明後日、寮に戻るーーっ!!」
ぼとっ。
落としてしまったボールをすぐに拾い、康介に投げる。
「そっ・・そっかぁ。」
別に一生会えなくなるわけじゃないし・・・・。
今までもずっと近くにいなかったし・・・・。
けどなんで?
なんでこんなに苦しいんだろ?
「何時?・・・・何時の電車ぁ~??」
「9時ぃー。」
なんで こんなに 心がざわつくんだろう。
「おっ!俺そろそろ帰るわ。」時計を確認しながら康介が言う。
幸せな時間は終わってしまう。
「う・・・うん。じゃあ、またね。」
「おぅ!・・またなっ。」
変わらない笑顔を南に向けたあと康介は公園を出ていった。
南は動けなかった。
(あっ・・・・・ボール。)
南のグローブは康介のボールを握ったままだった。
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