「弁当」

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僕の名前は鳩麦ヒロシ 世間一般ではワクワクとドキドキがいっぱい詰まったおもちゃ箱みたいな時期としばしば揶揄される高校二年生だ 今日は朝から珍しいことが起きた 母が弁当を作ってくれたのだ いつもは前の日にあらかじめほかほか弁当で買っておいた弁当を手渡してくる母がだ 時すでに遅し、もはやほかほかではなくなったほかほか弁当を手渡してくる母がだ そんなほかほか弁当のアイデンティティを悪びれた様子もなく崩壊させる母が弁当を作ってくれるなんて一体どんな気まぐれだろうか
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