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~ユフィ側~
見慣れた家をゆっくりと
居間に向かい歩いていく
ユフィ(こ、怖い…でも言い出したの俺だしなぁ…)
半ば自己嫌悪しながらも
居間に着いた
ユフィ(誰も居ませんように)
願ながらドアを開け
居間に入る
ユフィ(…居ないよな?)
そう思い振り返ると
ユフィ(…オヤジ!?)
5メートル前方に
俯いて浴衣を着た
ユフィの父親が居る
ユフィ「オ…オヤジ?」
顔を上げるオヤジ
しかしそこには
生きているなんて感じない
虚ろな白い目が
こちらを睨み、向かってくる
ユフィ(う…動けない!?)
必死にバットを構えようとするが
体が動かない
ユフィ(何で!?動け!動け!)
目の前にある餌に噛み付く為に
オヤジがゆっくりだが近づく
ユフィ(あれはオヤジじゃない!!あれはオヤジじゃない!!あれはオヤジじゃない!!)
自分に言い聞かせ
バットを頭の上に構える
バットが届く距離に入る
ユフィ(オヤジ…ごめん!!)
ガンッ
鈍く響き
オヤジは膝から崩れ落ちた
ユフィ「…オヤジ」
何故だか涙が流れてきた
その場に座り込み
オヤジを見つめる
パリンッ
ガラスの割れる音が
すぐ後ろで鳴る
ユフィ「…え?」
振り返るとゾンビ共がゾロゾロと入ってくる
ユフィ「うわぁあ!!」
慌てて立ち上がり
バットを取ると
居間を出てドアを閉じる
スザク「ユフィ!!」
奥の廊下から
スザク走ってくるの姿が見えた
ユフィ「ス…スザク!!」
スザク「大丈夫か?」
ユフィ「う…うん」
スザク「フタバから連絡があった…囲まれているらしい」
ユフィ「嘘だろ!?ヤバいじゃん!!」
バンッバンッ
ドアが強く叩かれ
開きそうなのをユフィが抑える
スザク(逃げ道は…そうだ!!)
スザク「ユフィ、来い!!」
ユフィの手を取り
裏口へと向かう
後ろでドアが壊れる音がした
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