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街は静かだった
何事もないように
静かだった
ユフィ「なぁ、そろそろ話してよ」
待ちくたびれて
話を切り出す
スザク「俺達もよく分からない、ただ言えるのは、何かがおかしい」
ユフィ「おかしい?」
スザク「…変わったと言った方が正しいかもな」
ユフィ「変わった?訳分かんない」
ユフィの頭には
?マークが増える一方だ
スザク「バイオハザード…」
フタバ「…まさにその通りだな」
力なくフタバが相槌をうつ
ユフィ「バイオハザードってあの映画やゲームのバイオハザード?」
スザク「あぁ…人を食らい歩く
生きた屍さ」
ユフィ「それが一体どうしたの?」
スザク「つまり、今の日本は
バイオハザードと同じって事だ」
ユフィ「ゾンビなんか居ないよ?」
窓の外を見ても
街灯や家の中の電気がついて
普通の日本と変わらない
スザク「フタバのばあちゃんが既にゾンビになっていた」
ユフィ「え!?本当かよフタバ」
フタバはただ俯いていた
イチゴ「う…ん?」
ユフィ「あ!?イチゴ、目が覚めた?」
イチゴ「あ…あぁああ!!」
イチゴは怯えるように
頭を抱え泣き出した
ユフィ「イチゴどうしたの!?」
必死になだめようとするユフィ
スザク「無理もない…俺がフタバのばあちゃんを殺した所を見たんだからな」
ユフィ「殺した!?どういい事だ!!」
血相を変えてミラー越しに
スザクを睨む
スザク「フタバが襲われていてな…仕方なくやった。いや、言い訳か…」
フタバ「スザクは悪くねぇよ…」
口を開いたフタバは
そう言って顔を上げる
フタバ「俺を助ける為だ…スザクがいなかったら俺は死んでたよ…」
ユフィ「…ごめん」
スザク「いいさ…俺がやった事に変わりはない」
イチゴ「ごめん…私…」
イチゴが正気を取り戻したのか
まだ涙声だが
話を聞いていたらしく
スザクに謝る
スザク「その話は終わりだ」
スザクはミラー越しに笑い
イチゴとユフィは頷く
フタバ「これから何処に?」
スザク「家の近い奴の家に行く家族も心配だろ?」
ユフィ「ここからだと俺の家か」
スザク「あぁ、行くぞ」
ユフィの家に向かい
車を左折させた
スザクは不安になっていた
走っている車が自分達だけで
人も見かけていなかったから
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