ある日突然

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「君そこで何してるの?」 今年から高校生になった僕、神崎倫理(かんざきりんり)は六月梅雨の真最中。 梅雨の為か朝から雨で、普段ならバイクに乗るのだが、今日は歩いて学校へ行っていた。 雨は帰る時も止むことはなく傘をさしいつもより遅く帰宅した。 すると、自分の家の門の前に膝を抱え座る込んでいる女が居た。 何をしているかと思い声を掛けたが女は黙ったままで、イラついてきた。殴ってやりたいがここは押さえて僕なりに優しくしようと決めた。 「あのさ、家に入れないんだけど」 そう言ったら女はようやく顔を上げ雨で濡れたのか、涙で濡れたのかわからない顔で僕を見つめる。整った顔可愛いと言うより綺麗と言った方が合っている。本当に綺麗だ。って見惚れてしまうなんて僕らしくない。 そう思いながらも相手を見ていると女は立ち上がり僕に抱きついてきた。 いきなりの事で少し驚いたが、すぐに自分の置かれている状況を把握した。この女僕より身長高い、僕がすっぽり腕に抱かれてる。 「あのさ、いきなり抱きついて何?僕に対する嫌がらせ?」 そう言ったら女は、僕を見るなり泣き出して 「倫理忘れた?」
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