兄と風呂と僕

2/7
前へ
/22ページ
次へ
「ねぇ早くお風呂入りなよ、着替え出しておくから」 そう言うと彼は頷き、お風呂場へと向かっていった。 少しため息を吐き思考を巡らせる。彼は…一体今まで何処で暮らしていたのかとても不思議だ。 「なぁー倫理ー」 風呂場の方から僕を呼ぶ声が聞こえ僕は風呂場へ着替えを手に抱えて向かった。 扉越しに兄に声を掛けると 「倫理も一緒に入らない?」 何をいいだすかと思えば、僕が初めて会った人と風呂に…ありえない。でも風呂場の扉の前に立ち止まっているのは何故だろう、早く部屋へ戻って着替えてしまえばいいのに。 足が動かなくて風呂場へ続く扉に寄りかかった。 あぁなんでこんな奴に僕が付き合わなくてはいけないんだろうね。 仕方なく、衣類を洗濯機に入れお風呂場へ続く扉を開けるすると、兄は顔を真っ赤にして逆上せていた。 彼は一体何がしたいのか解らなくなってきた。しかも、そんなに逆上せるほど時間経ってた? 仕方なく僕より大きい体を担ぎ上げた。でも軽くて細かった。お風呂場から脱衣場へ移動させ団扇で仰いであげた。もちろん大事な所にはタオルかけたよ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加