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出会いは十年以上前。
高校に進学した時に光司と出会った。
クラスの発表表の前で佇んでる俺の後ろで、光司は邪魔だと言う様にクラス表を見ていたのだ。
「チビ。邪魔だ。」
第一声がこれだ。
「煩いなぁ…あ、あった!」
「ああ、晃とは別のクラスか…」
同時に呟く。
「で…これからどっち行くのかな…」
「あっちじゃね?」
そう言い残して、彼はスタスタ全く逆の方向へ歩いていく。
「…おい!」
「何?チビ。」
「俺は五十嵐和巳!一年三組だ!」
彼は上から俺をチラリと見て、溜息をつく。
「あっそ。」
「どこ行ってんだよ?」
「クラス。」
「何組?」
「関係ない。」
俺を振り切り、スタスタ歩いていく。
俺は仕方なく逆方向へ行き…三年の教室へ辿り着いた。
ダッシュで、教室へ行き、座ると、隣には光司が澄ました顔で座っていた。
「…おい!」
「…誰?」
「五十嵐和巳だ!お前嘘ついたな?!」
「騙されるお前が悪い。」
そう言い残すと、教室の外を見つめていた。
†††
ホームルームが終わり、休憩時間になると、俺は光司を追い掛けた。
「…何。」
「何で俺を騙したんだよ!お陰で俺は…」
「悪いけどこれから職員室なんだ。」
冷え切った眼差しを投げてから、光司は廊下を歩いていった。
†††
「五十嵐君?」
後ろを見ると、同じクラスの奴がいた。
「何?」
「あいつ…七瀬光司には関わらない方がいいよ?」
「…何?同じ中学の奴?」
「まあね。」
「何で?」
「あいつ、基本的に人間嫌いらしいんだよな。嘘ばっかつくし。…まぁ、中学からしか知らないんだけど。」
「友達いないの?」
「中学の時の三枝って奴だけ。三枝は小学生ん時から知ってるけど、七瀬は全然知らない。何か身体弱いとか言って体育とか全然出ないし。」
「ふぅん…転校生な訳?」
「知らないし、関わりたくないから。五十嵐も、あんま関わらない方がいいよ。ぶっちゃけあいつハブられてるし。あんま関わってたら、お前もハブられるぜ?」
「…虐められてるの?」
「虐めじゃないけど…向こうも俺達には関わりたくないみたいだし…」
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