大ちゃん

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2002年8月― 『凄い!!星がうじゃうじゃあるよ!』 仰向けに寝転んだ彼女が缶ビール片手に上機嫌で声をあげた。 『海の上は他の明かりがなんにもないからなぁ。』 一斉に空を見上げた俺達はしばらく満天の星空に見とれていた。 『あたし運転ヘタだからさー、、、』 『この星空を運転しろって言われたら一瞬で星にぶつかって大破だなー』 変わった感性を持った人だなぁ…とまじまじと彼女の顔を見てしまった。 俺、岩木大悟は今、鹿児島から沖縄に向かう船の上にいる。 そして今一緒にビールを飲んでいる5人は 数時間前まではまったくの見知らぬ他人同士だ。 紅一点の彼女、浬さんは俺より少し年上で沖縄には何度も行っているらしい。 こんな風に新しい出会いがあるのも旅の醍醐味だと思う。 俺は次の奄美大島で下船する予定だけど 縁があったらまた沖縄辺りで会えるかもしれないな。
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