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ある日彼は鈴のついた綺麗なリボンを持ってきた
そして私を抱くと、私の首にゆっくりとそれを結んだ
「お前が俺のって印…なんてな♪嫌だったら外せよ」
それは普段人間が連れている同類がはめられているような窮屈なそれではなくて自分の意思で外せるものだった
それは彼が私を尊重してくれている証
自由な猫である私を縛り付けないためのもの
でも私はそれを外すことはしなかった…寧ろ嬉しかった
私が貴方のものになれるのが嬉しかった
たとえずっと傍にはいられなくとも私は貴方のものでありたい
「そういえばお前名前なかったなぁ…う~ん…鈴夜…鈴みたいに綺麗に鳴いて夜みたいに黒いからな!よし、鈴夜!決まり!」
鈴夜…私の名前…綺麗な名前…
私は嬉しくて嬉しくて彼の顔をペロペロと舐めた
くすぐったそうに笑う彼に私は精一杯の笑顔を向けて彼が綺麗だと言ってくれた声で"ニャア"と鳴いた
首元で私と同じ名の銀色がリィンと美しく響いた
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