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紗絵は今 目の前で発生した多々の不可思議と驚嘆により 体が完全に硬直してしまった。
突然少年から発生した闇雲。
そして その苦悶した少年が突如真紅の青年へ変身し、
自分が投げた 預かっていた黒真珠のペンダントがその闇雲を全て吸収し 少年が元の姿へと戻った…。
ようやく今起きた状況を最低限把握し アンを連れて 駆け足で少年へと駆け寄った。
「ちょ…ちょっと!!
ねぇ!……大丈夫!?」
紗絵は 起こそうと何気なく触った肩から 少年の異常に気付いた。
「あ…熱い! …凄い熱!!」
確認のために額を触ると 少年は既に40度は優にいっている程の熱さであった。
(ど…どうしよう…。)
紗絵が倒れ込む少年を前に慌てふためいているのにも関わらず、さっきまでの轟音が幻であったかのように 辺りは閑静な暗夜を迎え、夜風の遠音が月下に響き渡った。
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