prologue-虚の降誕-

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色も音も存在も そして感覚すら存在することが許されない ある次元 突如その虚空に爆ぜし一閃の極光 それは見た者全てに壮美という同一の感覚を与えるであろう七色の一閃 ただ その虹光はうっすらと禍々しく 黒化した霧を纏っていた 虹光は何も在るべきでない この空間を縦横無尽に喰らうが如く歪ませてゆく その衝撃により生じた時空の歪みから 紅、蒼、白銀、黒透の閃光が拡散していった 四つの閃光は悲痛と困惑、そして失意の念を滲ませながら 闇に満ちた虹の空裏へ消えていった
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