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オイラは、黒猫だ。そして、暇猫だ。大冒険でもしたい気分だけど、気分だけでどーこーなる問題じゃないって事くらいは、暇猫の黒猫にでも容易に分かる。
「おい!黒猫!」
気分良く屋根の上で日向ぼっこしてるオイラを呼ぶこいつは、白猫。でも本当は、黒猫。仲間内で黒猫が二匹いると区別しにくいって理由で、白猫と呼ばれている黒猫。別に、1号2号でも、ABでも、大きい方小さい方でも良かったのに、白猫と呼ばれている可哀想な黒猫。でも、もっと可哀想なのは、猫白と呼ばれている本物の白猫の方だ。
「何か用か?」
「用があるから来たんじゃないか。暇だろ?」
「オイラは、これから昼寝するんだ。邪魔しないでくれ。」
「やっぱり暇か。」
「……………。」
「聞いたら背筋が伸びるぞー!鼠がな!」
鼠ってのも、もちろん仲間の猫の事だ。灰猫だから鼠って、おいおいだろ?まあ、まだ魚類なアダ名じゃないだけましかって結論になったけど、何がましなんだ?まあ、眠くて意見する暇も無かったんだけどな。
「鼠がどーかしたのか?」
「こんなもん拾って来たんだ!」
それは、宝の地図だった。そしてこの日から、オイラ達の大冒険が始まった。
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