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カーテンの隙間から洩れる太陽の眩しさに起こされ 真由はすぐに携帯を手に取る。(おはよう 今日は曇り鉛色の空から雨が降りそうです。そっちの天気はどうですか?今日も頑張ろう)悠貴からのモーニングメール。 (おはよう こっちはいい天気だよ。あと2日頑張れば休みだね。また昼にメールします。)いつもなら気怠くて 覇気のない朝の味気ない時間も 悠貴からのメールで元気が出るのが不思議だ。
鼻歌など歌いながら今日着て行く服を選ぶまるでこれからデートにでも行くような感覚に似ていた。鏡に写る自分の顔 ブスではないと思う だからといって特別綺麗なわけでもない。もし 悠貴と会うような事になったとしたら 彼は私を見てどう思うだろう。
いつもより念入りに化粧をし コーヒーとヨーグルトの簡単な朝食を済ませて家を出る。以前ならつまらなくため息ばかりで通っていた駅までの道も 今日はすべてが 華やいで見えた。こんな気持ちになれたのも悠貴のお陰かな!
いつものコンビニもいつも買うサンドウィッチさえ 真由にはすべてが 新鮮な気持ちに思える。
駅のホームで 昨夜の悠貴とのメールのやりとりを読み返してみる。彼に会いたい。会ってみたい。ギュッと携帯を握りしめる。不謹慎な女だと思われるだろうか。出会い系で知り合い メールでしか話した事しかないのに 顔もわからない相手に こんな想いを抱くのは…。満員の客を乗せた電車がホームに入ってきた。吸い込まれるように 電車に乗り込む。もしかしたら…私は 彼に恋をした。 揺れる想いに戸惑いながらも 真由の想いは 悠貴への気持ちで一杯だった。
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