揺れる想い

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社員の休憩室で 遅いランチをとりながら 考えるのは 悠貴の事ばかりだった。今 メールしても大丈夫だろうか?休憩室の時計は12時45分。散々迷ったが 思いきって悠貴にメールをすることにした。 (お疲れさま お昼食べたかな?私はこれからランチです。)3分過ぎ 5分過ぎても悠貴からの返事はない。「時間が時間だもんな。もう仕事してるよね」 フッと ため息をついて携帯をクローズした。一方通行のメールがこんなに 寂しいなんて 今まで考えもしなかった。メールをおくれば 返事が 返ってくる。それがあたり前な事だと思っていた。 彼は 仕事中 頭の中では理解出来ていても胸を押し潰されるような切ない思いを断ち切る事が出来ない。 「悠貴 寂しいよ」食欲もなくなり サンドウィッチも 半分も食べきれない。コーヒーの苦味が口一杯にひろがる。泣きそうになるのを懸命に堪えて 真由は休憩室を後にした。
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