再会

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定時に会社を終えた真由はリカとの待ち合わせのカフェへ向かった。窓際の席に座り カプチーノを注文した。「念入りにおしゃれしてこいなんて リカと食事するだけじゃない。」それでも真由はお気に入りの ライトブルーのスーツにそれに合わせた バッグと靴。カランカラン!「ごめん待った」息せきながらリカがやってきた。 白いパンツスーツが人目を惹く。「さぁ行こうか」伝票を手に掴むと 会計を済ませ まるで 急かされるように店を出る。 「そのスーツ素敵ねどこで買ったの?」「去年のバーゲン品よ。リカこそ まるで女優の 亜利沙みたい」今雑誌で評判のイタリアンの店は 大通りから離れたビルの二階に洒落たたたずまいに包まれ いかにも高そうな感じがした。 「予約した 有沢ですが」初老のウエイターは「お待ち致しておりました。こちらへどうぞ」「西崎さん達は来ているのかしら?」「はい 先程お着きになりました。」「ごめん待った?」リカが声をかけた相手を見た途端真由は 冷や汗が出て 倒れてしまいそうだった。「しばらく 元気そうだね」その笑顔 白い歯 切れ長の目 忘れもしない 元彼の真人だった。思いもしないサプライズに 真由は動揺を隠せなかった。
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