ささやかに

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月が薄雲の 羽衣を被っています 盆が過ぎ 夜風も少しだけ 肌寒くなってきました 風邪を引いたという あなたの御身が 気に掛かります それなのに 私は自分の我が儘が 嫌で仕方ありません あなたの声が 聴きたいのです あなたを労ることもせず あなたの声が 聴きたいのです けれども それ以上は言いません その言葉を口にするのも それを頭に浮かべることすら 私は怖いのです ただ恐れてばかりなのです あなたとずっと 一緒にいたいから 好きだとは明かしません あなたをいつも 大切にしたいから 私はいつも笑っています 私はあなたにとっての あなたは私にとっての 大切な友達で あればいいのです
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