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僕の左手、彼女の右手。
まだ生暖かい。ぬるりとした血液の感触。
涙と血で滲んだ白いブラウス。
僕は笑った。
みなもも笑った。
茜色の空は、たくさんの赤トンボが空中デートを楽しんでいる。
僕らはそれを見つめた。
キラキラと夕日を反射させているその透明な羽に、一瞬だけ2人の未来が見えた気がした。
こんな風に真っ赤な景色の中を、みなもと2人。
手を繋いで、
どこまでも、どこまでも歩いていけると。
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