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「みなも、大好きだよ」
「うん、私もあっちゃんが大好き」
公園の片隅にあるベンチ。周りには人の気配はしない。
始まったのは、この場所だ。
だから、彼女が終わりに選んだのもこの場所なのだろう。
心はとっくに砕けている。
恐怖も、絶望も、何も感じない。感情を司っている部分に麻酔を打たれたみたいだ。
みなもは鞄からゆっくりと包丁を取り出す。
「ちゃんと綺麗にしておいたんだ。あの女の血があっちゃんの身体の中に入るなんて嫌だもん。そんなの絶対に嫌」
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