涙に染まる

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アイスの棒がアタリだった 私はさっきのお店に行き交換してもらう。 「当たったからアイスあげる」 「え?いいの?ありがとう」 よく見ると女の子だった。 その場を後にして私は電車に乗る たいして人が乗らない電車 ディーゼルエンジンの音がうるさい 扇風機が時折回ってくる 古くさい建物がぽつりぽつりと見え 電車を降りる。 学校前を通り帰ってみた。 窓を全開にしている音楽室 コンクールの曲が聞こえる 頑張れ 人事のように思った 自分のパートの所が開いている ちょっと笑えた。 学校から家までは近い。 音が遠のき、聞こえなくなってきた 目をつぶってでも帰れるこの道。 家に着いてしまった。 「お帰り」 ドアを開けるとお母さんの声が聞こえた 「ただいま。ゆうだいどうなったの?」 「明後日退院するよ。帰りたいって大騒ぎして。」 布団の上に転がったままのミニカーを渡した。 「これ、ないないって。さがしてたの。」 お母さんは洗濯をしながら口調が大人しい。 「ねぇ、りな?部活はどうしたの?さっき先生着たよ?」 「夏期講習会行ってた。」 「そう。今日塾休みなのに?」完全に調べられている 私は黙り込んだ 「遊ぶのはいいんだけどね、今しか出来ないことがあるんだから。進学はどこ行くか決めたの?」 私は冷静に口を開いた 「学校は行かない。」 「どうして?行かないとお父さんと同じでこの先大変なんだよ?」
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