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突然の電話から数分
辺りが夜のようになり
じんわりと土の匂いが漂い
静けさが空気を止めた
虫も居ない
蛙の声も聞こえない
空気中の水分飽和状態の限界を肌に感じた
玄関と家の中を行ったり来たりしながら
窓をみると
ポツリポツリと雨が地を打った。
空にフラッシュが見え大きな音が響きわたる。
シャワーのような雨が降り注いできた
あの子は本当に家に来るのだろうか?
雨音が外音を遮断している
鉄板屋根に跳ね返る雨音がすさまじい。
玄関のドアを開け戸口にしゃがんで手を伸ばした
肌に当たりはじきながら腕が濡れていく
温い雨が地に叩きつけられて小石が踊る
しばらくすると
遠くからかすかに何かが聞こえる
何だろう?
雨が邪魔でなんだかわからない。
機械の様な音
いや、違う。
おそらくアヤの声だ
少しずつ近づいてくる
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