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「キャー、、、」
かすかに聞こえる悲鳴
アヤは犬と雷が嫌い
体は私より20センチ近く大きいのに
意外と臆病だ。
「雷やめてっ」
どう考えても無理だと思う
ずぶ濡れになりながら自転車で来た
「よく来たね。独り言にしちゃデカい声だね。」
「だってアヤ、雷怖いんだもん。」
自転車を乗り捨てるように玄関前に置き
家に入ってきた。
私はタオルを差し出して、足下を拭いてあげた。
ジーンズに青のTシャツ、雨で濡れて体にくっつく。
アヤは成長が早く胸が大きく、背が高い
とても同じ年には見られない。
私が着ている大きめのTシャツを渡した。
アヤの体にはぴったりと着れた
部屋の電気を付けて話し始めた。
アヤのお姉ちゃんとのケンカ話
弟の話
部活の話し
先生の話
アヤの彼氏の話
「リナさー、進学どうすんの?」
「就職したいんだよね」
「じゃあアヤも学校行かなぁい」
「行けるなら行っておいたら?」
「うーん、、、何でリナ行かないの?」
「うちお金無いから。将来の夢無いし、学校行ってもしょうがないもん。」
「そっかぁ。アヤはやっぱり看護婦さんになりたいから、学校行く。」
お母さんが看護婦だから、あこがれたんだと思う。
「じゃあ私も看護婦になるかな。」
アヤは笑顔でうなずいた。
窓ガラスに雨がかかり、もやもやと透明になりながら流れている。
外が綺麗に見える。
そのときだった
ものすごく明るくピカッと光り、電気が停電した
空が割れてしまうような恐ろしい音が響いた。
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