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「やだぁあ」
泣き叫ぶような声を出して
アヤは布団に潜りこんだ
真っ暗な中私は手探りでブレーカーにたどり着いた
手を伸ばしてスイッチにさわろうとするが届かない
「アヤ、手貸して。私届かない」
「リナどこにいるの?」
私はまた手探り状態でアヤの所まで行き手を取る
「急にいなくならないでよ」
彼女は半分泣いている
半泣き状態でもやはり暗いのがいやなのかしがみつくように着いてきた
私よりも大きいのに子供みたいだ。
「このスイッチ上げたらいいんでしょ?」
屋根に突き刺さるように降る雨は声をもかき消す
カチカチ聞こえるが電気は付かない
「電気付かないよぉ」
「しょうがないよね。」
諦めて部屋に戻ろうとしたとき、また外が激しくフラッシュした
「いやぁあ。キャー」
家中の窓ガラスがガタガタいうほどの雷音
アヤは階段に伏せ、パニック状態だった
持ち上げて部屋に連れて行きたいが
体が大きいうえに、階段を登らなきゃいけない
私は手を強く引いて何とか部屋に入れた
布団をアヤにかぶせ
カーテンを閉めた。
暗い部屋に二人
隠れるように身を寄せた
雨が鉄板屋根を突き破り
家中雨に染みてしまいそう
階段の窓の外がゆらゆらと揺れ
外が見えない
まるでこの世界から孤立させられてしまうような気がした
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