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しばらく沈黙が続く
濡れた窓ガラス
揺れる景色
私は机に向かったままの方向
アヤの視線
私には何も言ってあげられない。
玄関の鍵を開ける音が聞こえた。
誰かが帰ってきた。
私は逃げるように部屋から出た。
「アヤも行く。」
お母さんだった
「アヤちゃん来てたの?」
アヤはにっこりと頷いた。
お母さんがブレーカーを上げても電気は付かない
「冷蔵庫のもの腐っちゃう」
一度冷蔵庫を開け、冷凍庫の中の氷枕と氷を冷蔵庫に移した。
「電気付くまで開けないでね。」
洗濯物を洗濯機の前に出し、新しい衣服を入れた。
「ゆうだいいつ帰ってくるんですか?」
アヤが心配そうに聞いた。
「明日の予定だったんだけどね…二日後くらいかも。」
「今日アヤんち行ってくる。」
私はとっさに言った
アヤはびっくりしていた。
「いいよ。」
お母さんはアヤに笑った。
なんか言われてしまいそうで怖かった。
その場にいるのが怖くて
でも逃げているような自分がイヤだった。
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