濡れる窓ガラス

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雨の中アヤの自転車の後ろに乗る お母さんは気をつけてねと病院に行った。 「アヤ、このまま海に行こう。」 「え?自転車で?」 「うん。」 海までは車で2時間くらいかかる 「何言ってんの?ここからどれだけかかるか知ってる?」 「嘘。」 雨に打たれながら笑った アヤの自転車の運転が出来なくなるほど ほんとに笑った たいしておもしろいことを言った訳じゃない ただ、今が楽しかった。 「じゃあさ、白鳥大橋に行こう?」 「いいね」 学校の前の大きな道 人工の川がずっと続くと橋に差し掛かる。 そこに行けば先が見えるところ 「また服濡れちゃったね」 傘も差さず雨に当たる2人の服は下着が透けるほど濡れていた。 川が増水して暴れているように見えた。 まっすぐな道 橋が近づき私は大声を出した 「わぁー」 アヤも一緒に大声を出した 大笑いしながら橋に自転車を押して行く 山がすぐそばに見える 高校がすぐ側に見えて 見たこと無かった 「橋の下に行こう」 アヤが自転車を止めた 急斜面を大声で笑いながら手をつないで降りていった。 アヤの小さな手は冷たかった。 まだ工事中で大きな川と繋がってないため増水はしていない。 橋の下は凄く静かで誰も来ない。 糸トンボが先客で雨宿りをしている。 「明日部活さぼっちゃえ」 アヤが呟いた。 「じゃあ明日旭川から離れて札幌に行こう。」 アヤは不安そうな顔をした
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