小さな旅行

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特に何事もなくその日は終わった とにかくホッとした。 それで精一杯だった 出血は相変わらずの鮮血で止まらない。 今日が無事に終わった この家が嫌い この先の事なんて考えたくない。 死んでしまいたい。 消えて無くなってしまえば 何度も思い返しながら布団にうずくまる 雨は上がらないまま 鉄板屋根が滴をはじいて踊る音 布団に深く深く沈んでしまいたい お兄ちゃんが帰ってきた。 もう少しで眠りにつけたのに。 9時半過ぎ。 勉強ご苦労様。 顔を出した 「ただいま。雨ヤバい」 紺色の制服がびっしょり濡れていた 居間でご飯の準備をしてあげた 「ありがとう。」 お父さんはもう寝たようだった それを分かって帰って来たんだと思う。 学校はこんなに遅くなるはず無い 部活も禁止されている特待生 「コンクールどうだい?先生元気にしてんの?」 「うん、元気にしてる。今年は全道まではいけないんじゃない?」 「そうか。お兄ちゃん見に行きたいんだけどなぁ。夏期講習あるしな。」 その後お兄ちゃんと何だかんだと情報交換をした
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