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しばらくススム君とご飯を一緒に食べていた
アヤのお母さんは相変わらず忙しそうにしている
ご飯の後にススム君はお気に入りの
ビニール性のウルトラマンを持ってきた。
少し遊びに付き合っていた
「ススム君、着替えさせましょうか?」
「ごめん、お願いしても良いかな?」
「いいですよ。」
戦隊もののプリントTシャツにジーンズ布地の短パン
肌着シャツとパンツを出してあげた
ススム君は自分で脱ぎ始めた。
ゆうだいより一コ年上のススム君。
何でも自分で出来る。
「ススム君、このシャツ逆だね。」
「これお母さんが着せたんだよー。」
「ごめんなさいねー。自分で着ないからでしょ。」
茶の間は暖かかった。
みんな笑顔で
朝は必ず顔を合わせる
アヤがうらやましかった。
ようやくアヤの声が聞こえた
「このスカート変かなぁ」
「良いと思うけど?」
アヤが黒のスカートに、半袖のパーカーを着て降りてきた
「あんた遅いよ。」
お母さんはアヤに怒った。
「だって、髪の毛うまく行かなかったんだもん。リナ、もう準備できたから行こう。」
私が鞄を持って立ち上がると、ススム君の顔が曇った
「アヤもリナちゃんも行っちゃうの?ススムも一緒に行きたい。」
「あんた保育園行くんだから駄目だって。ウルトラマンで遊んでなさい。リナちゃんありがとうね。もう行って良いよ」
「お邪魔しました。朝ご飯ごちそうさまでした。おいしかったです。」
ススム君が玄関まで来た
「ススム、じゃあね。バイバイ」
アヤがそう言ってから
玄関ドアを閉めると
ススム君の泣き声が聞こえた
アヤと私の名前を呼んで
何だか心が痛かった。
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