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すぐに電車のドアが閉まった
もう引き下がることは出来ない
緊張した顔で二人は席を探す。
席はガラガラで誰もいないに等しかった。
真ん中の席を選んで鞄を置く。
電車の音がやけに大きい
そして見たことのない風景に入り込む。
「本当に行くんだね。」
アヤは外を見つめてつぶやいた。
何だか私も不安になってきた。
「やめる?戻ろうか?」
アヤは急に笑顔になって
「絶対帰らない。今日はいっぱい楽しむんだもん」
私はアヤの笑顔に救われた。
もしアヤが帰ると言っても引きとめなかったし
私一人でも札幌に行ってたと思う。
なにも考えずに不安が無かったかもしれない。
それから二人はコンクールの歌を口ずさんだり、学校の話をしていた。
修学旅行後の2人の修学旅行
今後の計画も立てて
すごく二人ではしゃいでいた。
風景が田舎になったり
都会になったりを繰り返しながら
目的地に着いた。
やっぱり昔から住んでいるところの匂いとは違う空気に
二人は驚いていた。
「きちゃったね。」
「うん。」
二人は自然と手をつないだ。
180万人が住む土地に足を踏み入れた
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