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スーツのお兄さんが少し慌てた素振りを見せた。
アヤは行こう行こうと目を輝かせる
「二人一緒にいて良いんだよ?ただ座ってお話するだけ。ね?」
「いくらなんですか?」
「1時間8000円だよ。2時間は2倍って感じ。」
「そんな安い金で売られたくありません。警察に言っておきます。さようなら。」
アヤの荷物を半分以上持ち、
手を引っ張って走った。
「りな、何で断ったの?」
「旭川に2度と帰れなくされる。」
「援交よりは危なくないと思う」
確かにそう思った。
でもアヤにはそうなっては欲しくなくての
とっさの行動だった。
黙ったまましばらく走った。
狸小路から離れススキノの方に来た
修学旅行では見ることの出来ない
札幌の裏の顔。
ニッカの大きな看板が目の前にあった。
2人は息を切らしながらそのパネルを見た。
「甘い物食べながら休憩して、それから帰ろうか」
「うん。アヤ、あそこに行ってみたい。」
指をさした先はCMでやっていた
ちょっとおしゃれな喫茶店だった
「いいよ。そこに行こうか。」
アヤと手をつないでそこに入っていった。
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