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しばらくして藤堂さんはコーヒーのカップを二つ持ってやってきた。
「お待たせ」
カップを差し出され受けとり口をつける。
「うまい…」
「よかった」
藤堂さんは俺のすぐ隣に腰かけた。
「あのっ…近いです…」
「気にしないで♪」
「気にしますよ」
顔が熱くきっと真っ赤になってるんじゃないかと思い俯いた。
「意識…しちゃう?」
キスされるんじゃないかと思うほど顔が近付く…
「意識なんて…」
「僕はして欲しいよ…信一君が好きだから…」
「えっ?!」
顔を上げると真剣な目をして見つめていた。
その目を見るかぎり嘘偽りは感じない。
「ずっと君だけを見つめてきた…あの事故以来ずっと…」
「嘘だろ?」
昨日まで藤堂さんの存在すら知らなかった。
見ていたなんて…俺は困惑した。
「嘘じゃない…あの日からずっと…――――
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