クロネコクロロ

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街から少しはずれた薄暗い路地裏。 ここが私の目的地。 私はそこにちょこんと座り“ある人”が来るのを待った。 さっきまでとはがらりと変わり、静かで少し淋しげな場所。 でも、あの街中よりは好きだ。 「ニャーオ」 大きなあくびをする私。 眠いなぁ。 でも起きてなくっちゃ― 「あ、今日もいた」 ―来た! その声にすぐに反応した私は毛づくろいをして、背筋をピンと伸ばした。 それを見た彼は「かわいい」と言って笑った。 彼の名前は藍沢 裕真(アイザワ ユウマ)。 優しくてカッコイイ、私の大好きな人。 彼はいつも学校帰りにここに来て、私と遊んでくれる。 「クロ太、今日も元気にしてたかー?」 「ニャー」 頭を撫でられ、気持ち良さのあまり、声が出てしまった。 幸せだなぁ。 でも裕真くん、私の名前違うんだけど…。
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