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恐る恐る目を開いた
目の前にはピタッと
止まった男の拳があった。
驚いた由梨は
その恐怖に
段々涙目になっていた。
そして、震えながらも
声がする方に目をやった。
すると、そこには
さっき麗奈をナンパしていた
チャラ男の彰が居た。
何でこんなところに..?
恐怖からか
由梨は
そんな事をぼんやり
考えていた。
「ちッ..誰だおめぇ。」
男も声に気づき、
あと数センチのところにあった
拳を下ろし、
彰を睨みつけた。
「ん~通りすがり?いやーそれじゃインパクトないし..じゃぁ、その子の彼氏って事で♪」
そう言いながら
ヘラヘラ笑い
彰は男達に近づいた。
「おめぇ、やる気か??」
男は、由梨の胸ぐらから
手を離し、
近づいてきた彰を睨んだ。
由梨は恐怖から
大粒の涙を流しながら
その場に崩れ落ちた。
その姿を見て
彰の顔つきが変わった。
「あんたら..趣味悪いね。俺、女の子泣かせるやつッて大嫌いなんだよね...」
さっきまでヘラヘラ笑ってた
チャラ男の彰は何処かへ消え、
そこに居たのは、
殺意を目に宿した
見た事もない
彰だった。
その時
-バキッ!!ガンッ!!!!!-
-ガンッ!!!!バシッ!!!-
彰は目に止まらぬ速さで
男達を次々に
殴り倒した。
「う、うわぁぁあ!!!!!」
そんな情けない声と共に
男達は走って去っていった。
安心した由梨は
フッと気を失った。
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