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「...ねぇ..大丈夫??」
ふと、何処かから
声が聞こえ
由梨は目を開けた。
ここは何処...?
天井が白くて..
布団...?
保健室.....?
あ..そっか
私気を失っちゃったんだ。
そんな事を
ぼんやり考えていると
「大丈夫...?」
声のする方に
ゆっくり首を曲げると
そこには
ニコーッと人なつっこい笑顔を
浮かべながら椅子に座る
彰が居た。
「あなたが...ありがと」
感謝の意味も込め
微笑むつもりが...
由梨の目からは
真珠のような
涙が溢れた。
恐かった。
男の人の力に
女が敵うはずない..。
もし、この人が
助けてくれなかったら..
私は今ごろ...
そんな事を考えると
悔しさと、あの時の恐怖と
未遂で済んだ安堵から
涙が止まらなかった。
すると、、
-ポンッ-
頭に暖かくて優しい感触。
隣を見ると
彰が優しく微笑みながら
由梨の頭を撫でていた。
「恐かったろ?もう大丈夫だからな。よく頑張ったな。エライぞっ!」
そう言うと、彰は
より力強く由梨の頭を
くしゃくしゃに
撫で回した。
その優しくて暖かい手に
再び涙が溢れる。
いつの間にか、由梨は
甘えるように
彰の胸に飛び込んでいた。
「よしよし。頑張った。頑張った。」
そんな由梨を避ける事もなく
彰はまるで子供を
あやすかの様に
優しく背中をポンポンッと
撫でた。
そんな優しい彰に
涙が止まらなかった。
話を聞き終わった後
私と瑠優は
涙が止まらなかった。
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