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「由梨…のっ..バカぁっ..だからあの時..先帰ってて..なんてっ!」
そう言って由梨を
抱きしめる瑠優。
「そんな怖い思いしてたなら…未遂でも私達に言ってよっ!!」
そう言って私も
ギュウッと由梨を抱きしめた。
「うん…二人ともごめんね…っ」そう言うと
由梨の目からは
小さな涙が溢れた。
お昼休み。
賑やかな教室で
私達は声を殺して
しばらく泣き続けた...。
由梨は…
彰の優しさと…
暖かさに惹かれ...
恋をしてしまったらしい。
由梨が彰に
惚れる気持ちもわかる。
でも…
大分、涙も枯れた頃
瑠優が釘を指すように
由梨に言葉をかけた。
「でも忘れちゃダメだよ?由梨には真人くんが居る事!もし、本気で恋するなら、真人くんにちゃんと話して、ちゃんと別れるんだよ!!』
その姿はまるで由梨の姉。
そんな瑠優を見て
私と由梨は思わず
顔を見合わせ笑った。
「うん…わかってるよ。瑠優ありがとうね。」
そう言うと由梨は
プリンパンを最後の一口
口に入れた。
「…さっ!!この話はまた今度にして!!せっかくの昼休みなんだし!屋上でも行こっか☆」
ワザと話題を変え
明るく振る舞った。
そんな私の様子に
気づいたのか
二人は
笑いながら頷いた。
この…-屋上-で…
再び「出会う」事に
なるとも知らずに。
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