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「覚悟の上です。」
ジェイは真面目な顔をしてそう言い返した。
「なかなか肝が据わっているな。父親が嫌いだったのか?」
「大好きでした。」
表情一つ変えずにそう言い切ったジェイだったが、その頬には一筋の涙が流れていた。
「よく分かったよ。」
そのジェイの様子を見て、クラウンは慰めるようにそう言って、ふと立ち上がった。
「行こう。」
クラウンはスタスタと歩き出した。
「どこへ?」
クラウンの後を追いながら、ジェイは質問を投げかける。
クラウンは立ち止まることなく、歩き続けながら質問に答えた。
「フラワー一家さ。」
その言葉を聞いて、ジェイはドキリとした。
自分の失敗をクイーンに報告しなければならないからだ。それに父親のこともある。
全ての面において、今はあまり触れて欲しくないことばかりだった。
「勇気を出すんだジェイ!」
昔、よくライアンに言われたことを、今は自分自身に言い聞かせるジェイだった。
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