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『Leaflet』を抜け、とりあえず『Red Frog』方面へと歩く。
今朝はライアンと二人で来た道を、今度はクラウンと同じ道を通る。
マフィアの男と一緒に歩くというのは、なんとも不思議な感じだ。
やがて『Red Frog』へと到着するが、クラウンは店に入らずに脇道へとそれる。ジェイも、それに続いて付いていくと、『Red Frog』の真裏に当たる場所に地下へと続く階段があった。
「ここだ。」
真っ直ぐ暗がりへと延びる階段を、クラウンはためらうことなく降りて行く。
緊張して、クラウンに続くことを躊躇していたジェイだったが、勇気を出してその奥の暗がりへと足を向けた。
階段を降りきった場所には一枚の扉が存在し、その手前に巨大な人影が座り込んでいるのが伺える。
「やあ、エース。」
クラウンがその影に挨拶すると、エースと呼ばれた男は立ち上がり、軽く会釈をした。
ジェイはエースに近付いてみて、はじめて分かった。
影が巨大に見えたのは、エース自身なのではなく、彼のそのアフロなヘアースタイルだったのだ、と。
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