京へ

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弟子たちから恐れられていた沖田も、子供には優しかった。子供好きの沖田に、こんな面白いエピソードがある。 近藤一行が壬生浪士として、世話になった八木家の八木為三郎はこう語っている。 「この沖田が近所の子守や、私たちのような子供を相手に、往来で鬼ごっこをやったり、壬生寺の境内を駆け回ったりして遊びましたが、そんなところへ井上源三郎というのがやって来ると、『井上さん、また稽古ですか?』という。井上は、『そう知っているなら黙っていてもやって来たらよかりそうなもんだ。』と、いやな顔をしたものです。」
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