京へ

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沖田の剣は兄弟子の近藤を真似て、相手の喉元に向けるはずの剣先が、両者とも右にかたむいていた。そのうえ掛け声の細くかん高いところまでもがそっくりであった。 天然理心流剣術の突き技は、特徴的だった。 理心流の『突き』は必ず三本に出る。しかも刃が下や上へ行く剣法とは違い、刀を平らに寝かせ、刃は常に外に突き出されていて、万に一つ突き損なっても、どこかを斬るというものだった。
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