決まった死

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「なんでって、人手不足だからだよ。あとファイルは続きあるから。最後まで読め」 男に言われ、仕方なくファイルをまた開く。 「……やっぱりいい。朝食たべてから見る」 パタン。閉じる。 ゴツン! 小突かれる。 「…………痛い」 「愛の鞭だ」 嘘つけ、とミカドは心の中で思った。 気を取り直してもう一度ファイルを開く。 「あー、具体的な個人情報か。カミサマの偉いお言葉も書いてある。えーと、地上に下りて職務をまっとうしろだとさ。その間私は『御門』と名乗る……ってそのまんまじゃないか」 ファイルを片手で持ち、片方の手でそばを啜る。なんとも行儀が悪い状態だが、何故か誰も咎めない。 「一つ、問題があってな。そいつ、精神的にヤバいやつかもしれないとさ」 「え? なんでさ?」 疑問に答えるべく、男はファイルのページを捲る。
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