零下~BELOW FREEZING POINT~

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ターンテーブルの周りも冷気は消え、纏わりついた氷も溶け始めていた。 アリッサとジョージは既に待機していた。 「ヨーコ!鍵を!」 ヨーコはターンテーブルの鍵を投げて鍵はアリッサの手に収まった。 「早く来るんだ!」 ジョージがヨーコを急かす。アリッサは鍵を機械に指して回した。 『発車準備の為しばらくお待ち下さい』というアナウンスが響いた。 その時、急いで駆けるヨーコの背後にハンターの影が見えた。 「気を付けろ!ハンターだ!」 デザートイーグルはザックの中なので出す余裕は無い。ハンターが大きく跳躍してヨーコに飛びかかろうとした瞬間、ハンターは空中でのけぞってそのまま倒れた。 反対側を見るとアリッサが銃を構えたまま立っていた。 「あなたに死なれたら証言者が減るからね」 平静を装いながらアリッサが言った。 「汽車に乗り込もう、その方が安全だ」 三人は汽車の後部から乗り込んで動き出すのを待った。
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