ミー汰とカオル

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  ある住宅街の中にある『たいよう保育園』からは、今日も園児たちの元気な笑い声や、楽しそうな歌声が聞こえてきます。 たいよう保育園の隣りには、小さな公園が在りました。 遊具と言えば、象をモチーフにした滑り台と、ほんの小さな砂場が在るだけですが、住宅街にある数少ない憩いの場として、近所に住む人々にとっては十分な公園でした。 その小さな公園に、茶色いしま模様のかわいい子供の野良猫が住んでいました。 この子供の野良猫『ミー汰』がこの物語の主人公です。 今よりもっと小さかった頃、ミー汰はダンボール箱に入れられてこの公園に捨てられていたのです。 まだ小さかったミー汰はとても不安でした。 寒くて寂しくて悲しくて、みぃーみぃーと泣き続けていました。 ずーっと泣き続けていたミー汰は、やがて、疲れ果てて眠ってしまいます。 しばらくすると、賑やかな声が聞こえたような気がしてミー汰は目を覚ましました。 気が付くと、保育園の子供達が公園にやって来て、ミー汰に食べ物や飲み物を分けてくれたのです。 それからは毎日、子供達はミー汰に食べ物や飲み物を持って来ては、一緒に遊んでくれるようになりました。 .
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