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数種類あるアイスの中から千夏の好きなオレンジシャーベットを二つ手にすると、レジへと向かった。
満足そうにアイスを食べながら先を歩く千夏。
その後ろを、やはり冷たいアイスを口に運びながら歩く俺。
目眩のしそうな日差しの中、シャーベットに目を向けると、既に熱にやられかけているご様子。
それからもう一度顔を上げると、千夏の背中が写る。
何年も一緒にいて、風呂だって一緒に入った仲だ。
別に今更意識するとかそういう類の感情はない。
けれど、やっぱり俺って男の子だもん。
正直反応しない筈もない。
汗で透けたワイシャツに映るのは、淡いピンク色の下着の影。
…おいおい、挑発してんの?
いつもいつもそう思う。
なっちゃんの後ろ姿は俺の煩悩を刺激する。
他の奴にゃ見せて欲しくはないな、そう思うのは付き合いが長いからだろう。
兄妹の様な俺らにはそれが丁度いい理屈だ。
「なっちゃん…」
「ん?」
屈託のない笑顔。
首もとには汗が伝う。
…あっ…何か…やらしいわ…。
「今日のパンツはピンクっしょ?」
その後俺の頬に赤く手形が残った事は言うまでもない。
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