プロローグ

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      夏、それは恋の季節。 …でも、ないのかもしれないけど 少なくとも周りの人達は夏休みだと浮れ燥いでいる。 わたしには分り得ない話だった。 いつもと変わらない日常、ただ無駄に消費されていく時間、学校がある日は退屈も少しは紛れているのに、夏休みなんぞ始まってしまえば退屈なこと極まりない。 それに、唯一本音を話せる友人にも会えなくなってしまう。 まぁ、家は近いから会おうと思えば何時だって会えるのだけど…。 アイスの美味しい季節ではあるから、夏は嫌いではない。 え?話し方が大人っぽい? そりゃ、小説を書くって言うかっ…と、危ない危ない。 いや、違うよ?違う違う。 普段からこんな感じだから。クールビューティーだから、うん。 …にしても、これは遅刻になるのだろうか? 家を出た時間は8時、学校までは15分掛かる。 一本、坂を登るだけで学校には着くのだけど…。 生憎、時計を持っていないから時間が分からないとゆう困った状態だ。 取敢えず…走ろうっ!! 地面を強く蹴り勢いよく走り出した、わたし。 夏の日差と体力の消費から息が荒くなっていくのが分かる。 あまり、人には聞かれたくないし、見られたくもない姿だ。 ふと、地面に向けていた視線を前へとずらすと キラキラと輝いて、温かな風に靡く少し長めの青が薄くなった、水色に近い髪が視界に入った。 ランドセルの色は黒。 どうやら、男の子らしい。 その青髪の彼の横を通り過ぎる時、何か不思議な感覚を覚えた。 言葉では表せない何か、鼓動が速くなるのを感じながら、学校の門をくぐった。 思えば、これが彼との…ある意味、初めての出会いだったんだ。 彼との出会いで自分が大きく変わっていく事を まだ、わたしは知らずにいた。 わたしと彼と夏休み 仲間達との不思議で、どこか切ない 夏休みの始まり―…  
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